Estudio Aliatar
(スタジオ アリアタール)
名前の由来
Origin of the studio name

スペインはアンダルシア州のグラナダ、世界遺産歴史地区でもある Albaizín(アルバイシン) の丘の高台に位置する Plaza Aliatar(アリアタール広場)が名前の由来です。

かつて私はこの小さなAliatar広場の一角の、これぞアルバイシン、という築何百年だかわからない程の古い白壁の家に、一年半もの間暮らしていました。
家そのものも、息を呑むほど美しいいにしえのアルバイシンの絶景の一部でした。室内も広々としていました。

グラナダのアリアタール広場
グラナダのアルバイシン地区

ただ家自体は数百年前の手作り感そのまま、まるで紙粘土で作った家のような、とにかく近所の人達が集まってせーので気まぐれに作ってみた試作品のような、そんな原始的な家でした。ペンキの塗り方もこれもありなんだと感心するほどあちこち元気にはみ出して、前衛アートのようでもありました。

階段もドアもやや傾き歪んでいて、せめて床だけは水平であってほしいところですが、、この家の室内は僅かに坂を感じられるようなゾーンまで。このような床上に設置されている洗濯機を作動すると、その自らの振動で広々した床の上を好き勝手に時間の限り移動し続けていておもしろかったです。その度に、よいしょと活きのいい洗濯機を元通りのポジションに運んで戻すまでが私の洗濯。
椅子に腰掛ける時も、まずテーブルと椅子の位置を毎回左右歪みのないベストポジションに微調整してから。

ありとあらゆる虫もよく出てよく退治しました。ガスもお湯も使えなくなるピンチも定期的に。
何かアクシデントがあって大家さんに助けを呼んでも、シズカ、どうしたかな?って無邪気な笑顔でやって来るのはいつも決まって2、3日後。

ガスや電気が通常通り使えるだけで、お湯が出るだけで、洗濯が出来るだけで、もう幸せでした。
ただ、何百年前のかつての住人と近い暮らしをほんの少しだけ体感出来ていたのかもしれません。アルバイシンで生きてるぞ、生き抜いているぞ、と体ごとたくましく体感出来た、私自身も語り尽くせない程思い出いっぱい、原点の場所。

そしてAliatar広場はこじんまりながらもいつも賑わい、地元の皆に愛され続け、また旅人の疲れも癒してくれる、小さな憩いの場。特にお昼時や夜ごはん時は、この広場の小さなBarのテラス席が大人気。流しのミュージシャンもしょっちゅう演奏しています。
Aliatarで飲んでるから、って待ち合わせることもお決まりのコース。すぐ近くには行きつけだった大好きなタブラオもあります。とりあえずAliatarに行けば、誰かに会える。私自身も何度この広場のBarに通ったことでしょう。

自然と皆が集まり笑顔で語らう止まり木のような憩いの場。
本間教室が皆さんの心の拠り所となりますように、願いを込めて。

※Aliatarとは?

1492年レコンキスタによるグラナダ陥落時の、グラナダ王国最後の王妃、Morayma(モライマ)の父の名前。

グラナダの高台から街の景色